この記事は「ひとりでカンファレンスふりかえりo0h Advent Calendar 2021」のday-15です。

ひとりでカンファレンスふりかえりo0h Advent Calendar 2021 - Adventar

今日振り返るのは、「"個々人の集まり"を超えた"チーム"になるために、明日からやれること」です。 PHP Conference Japan 2021のCfPに応募しました。Regular session (25 mins)の枠になります。

"個々人の集まり"を超えた"チーム"になるために、明日からやれること

概要

プロジェクトやチームをまとめている時に、「タスクを整理して、それを分担して」というのは出来ると思います。メンバーがある程度の力量を持っている場合は、粛々と安定的に進捗が出るものです。

その進め方で、全く疑問も違和感もなく上手くいく状況と、それによって「すり減る」ような感覚を持つような状況があると思います。実力のある人を邪魔せずに進ませられる一方で、そうでない人が適度な成果を上げるのに苦しむかも知れません。

「プロジェクトとして上手くいく」のと「チームとして上手くいく」はイコールではなくて、前者を達成するための部分要素が後者という向きもあると思いますが、いずれにせよ「やろうとしなければおざなりになる、できない」ものではないか?と考えています。

「良いチーム像」をチームの全員が、少なくともリーダーポジションの人が持っていれば、あとは状況に対する丁寧な観察によって打ち手を導けるものだとも思います。そうした経験を持ち合わせていない場合は、カタから入るのも手です。

自身が実践を通じて得た、簡単にできそうな仕掛け・取り組みといったカタを紹介してみよう!と思って、このプロポーザルを投稿しました。 自分自身が意識したこと、手応えを感じたものだけでなく、一緒に働いたメンバーへのインタビューも行った内容も盛り込みれば、と思っています。

端的に言えば「自分が困った時に他人に力を借りられる」ことで恩恵を受けたり、「他人が困っている時に自分が協力できる」ことで繋がりを感じられるようになるのでは?なんてことを考えています。 なので、そうした「困ったら助けてもらう」や「声を発する程に困る前に、その種や気配を分かち合える」ようにするための仕掛けが出来れば結構変わるのでは?と。

例えばアジャイルのプラクティスにあるデイリースタンドアップは、「密で高頻度な連携の場を持って、チームが自律的に/当事者的に自他の問題を解決するキッカケを作る」ような効能があると思います。 ただ、「ただの進捗報告的な朝会」になっている状況もよく目にするものです。このあたりも、「どういうチーム活動ができたら良いんだっけ」という目的だったり理想像を持つことで変わってくるのかな・・?と。

自分がやっていた時は、「どう進んだか」にはあまりフォーカスをあてずに、「今日起きそうな問題」「そこに力を貸せそうな人、借りたい所」を発見するように意識していました。 また、そうやって「自分のサインアップしたタスクに他人が入ってくる」のが当たり前になってくると、予め規定されたイベントだけでなく、通常作業中にも声の掛け合いが発生するようになります。あるチームでは、「突発的なZoomでの会話」が1日辺りに発生した回数が明らかに多いなど、有機的なコミュニケーションを促進することに成功していたように感じます。

その上で、「こういうコミュニケーションのパターンもあるよ」というのを示唆したり練習したり・・という支援も行いました。ペアプロ、モブプロ、ドキュメントを作った後の口頭フィードバック、ワイヤーフレームを組んだ後の同期的なコミュニケーションによる検討・・などなど。

そういう状態が手に入ると、「進捗が鈍る」に対応する効果もあるように感じましたし、働くメンバーの満足度みたいなものも高まるように感じます。 なので、その辺りの話を少しできたら楽しそうだなーと思ったプロポーザルでした。

動機

いくつかチームを持つ経験をする中で、「働きやすかった」「今までで1番チーム感を感じた」といったコメントを貰う機会がありました。

それは自分にとって喜ばしいことだったし、他方である程度は「説明がつく方法」なのでは?という風にも感じます。 であれば、形にできればこの知見を共有できるし、なによりその過程で自身の体験や思考を棚卸しできるな!と。

セオリーや概念みたいな話は、世の中にたくさん本があるので、参考になりそうな書籍を手渡すだけでも物足りそうです。寧ろ質の高いインプットになるかと思います。 そうした「ご高説を垂れる」のは自分の仕事ではないだろうし、そもそも力量が足りないと思いますので、もっと簡単に「自分はこれが良かった!」をすぐ真似しやすいような形で描けないかな・・・?ということで「明日からやれること」というタイトルにしています。