Webアプリケーションの効率を再定義するBEAR.Sundayの分散キャッシングフレームワーク

じっくり聴いてみたかったセッションの1つ。

最初からすごかったな、「タイトル変えました、怒られると思います」が含蓄のある話に繋がると思わなかった・・・w

キャッシュってなんだろう?を一般的な説明を紹介したうえで「これはHowでしかない」「実は本質は・・」と展開するのが郡山さん的な話の展開だなぁ。

キャッシュ(の対象)をしっかり分析して戦略を考える、「真に動的?」「本当の有効期限がある?」「更新タイミングがある?」、その上でどう生き残らせるか・更新するか・消すか?が変わるよと。

話の筋としては、

ということなのかな、というのが今の時点での自分としての理解。

めちゃくちゃ面白いな・・・・「ココをキャッシュしてください」というロジックを埋め込むのでなく、リソース自体に「私はキャッシュされるべきです」というドメイン知識を語らせるような。だからシンプルになって、シンプルだから破綻しないまま「複雑」を実現できる、その下地があるから「分散キャッシングフレームワーク」たるパワーを得られる・・・・・・みたいな、筋の通った話に感じて興奮しました。 「キャッシュ」を例にした、エレガントな問題解決のアプローチ・・・という話を聞けた思いです。 そんな事を考えながら表示されたのが「侘び寂び」たる禅庭の写真で、鳥肌が立つような想い。 ”ここには最小限の制約しかない、だけど調和と抽象だけがあって、timeless。ここに自分のイマジネーションを投影することができる”。 不易流行、timelessという言葉が並んでおり「優れた制約には変化がない」という表現をしていたけれど、「本質」とか「無名の質」の事だなぁ・・・「良い制約というのはまだ出会っていない問題を解決する」「答えだけを追いかけ回すようなマインドセットじゃなくて、技術的な問題の声を聞く。技術的な誠実さが求められるのではないか」。

問題の声を聞くということを指して「技術的な誠実さ」っていうのは、考えさせられる。 自分は、例えば「Webエンジニア職種・開発部メンバー」というのを考えた時に「技術は手段」と捉えるのですが、「技術に向き合う」ことすら「Howではなく問題に目を向け対峙する」事が大事なんだぞ、と言われてるような気分に。

いやぁ・・・本当にものすごいものを聴いた。ため息が出ました。

自分はリアタイしたけど歩きながらだった&途中までだったので、今こうして改めてじっくり観てこの文章を書いている訳です。集中して聴くべきだったし、めちゃくちゃ価値のある時間を過ごせました。

今回のPHPerKaigiの帰りに、武田さんとタクシーを同乗して帰ったので色々とお話をする時間を手に入れたのですが(マジでメッチャ良かった)、その際に「どの発表が1番良かったですか〜?」と軽い気持ちで聴いたら即答で郡山のセッションだったんですよね。 ご本人のブログでも書かれていますが、「技術者として」というより「自分という人間にとって」というスケールで受け取られていたような感じもして、それも強く印象に残っています。

これも合わせて貼っておく

https://twitter.com/koriym/status/1767873342164685141

FWの話をフックにして凄く深いところに突き刺してくるような、聴いていて体温が上がるのを感じる発表でした。 恐らく、今後も何回も見返すセッションになりそう。